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 ハンチントン病とは?


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 ハンチントン病(HD)は、脳内の線条体と呼ばれる部分にある細胞 が失われることによって、症状が引き起こされる疾患です。通常は中年期(35歳から50歳)の間に発症し、症状は次第に進んでいきま す。日本では特定疾患として認定されており、日本人には100万人に5〜6人未満という稀な病気です。外国では特に白人(Caucasian) に多く、10万人に4人から10人の割合で存在しているといわれています。

この病名は、1872年に初めて「遺伝的な舞踏病」として報告を行った、米国ロングアイランドのジョー ジ・ハンチントン医師の名前にちなんでつけられました。「舞踏病(chorea)」とは、ギリシャ語で「舞踊」を意味する「chorein」 からきたもので、HDに共通する症状のひとつである不随意運動を意味しています。しかし、不随意運動はこの病気の特徴の一部に過ぎ ないため、最近では「ハンチントン病」と呼ぶのが普通になっています。その三つの症状とは、物事を認識する力(思考・判断・記 憶)の喪失、動作をコントロールする力の喪失(不随意運動・飲み込み困難)、感情をコントロールする力の困難(抑鬱・感情の爆発 ・いらだちなど)です。

これらの症状の強さや表れ方は、個人個人によって全く異なっています。病気の終末期になると、食べ 物を飲み込めなくなることが大きな問題となり、歩行も会話も難しくなります。しかし、周囲の状況はわかっており、自分の好きなも のや嫌いなもの、近しい人と他人の区別もできます。発症してから15年から20年ほどで亡くなることが多いようです。

また、この病気のもう一つの特徴は、遺伝子によって次世代に伝わっていくことです。いわゆる優性遺 伝ですので、片方の親が発病した場合、子供に伝わる確率は1/2です。子供に対してHDについてどのように伝えていくのかというのは 難しい問題ですが、少しずつ段階的に家族で共有していくことが望ましいとされています。

この20年ほどの間に、HDの原因や病気の成り立ち、対症療法などについて多くのことがわかってくるよ うになりました。そして、1993年には、約10年間の国際的な共同研究の結実としてHDを引き起こす変異遺伝子が存在することがわか り、この遺伝子を調べることによってその人が発病するのかどうか、またHDを発病しているのかどうかを確かめられるようになりまし た。こうした診断をどのような手順で行うのが望ましいか、研究者と家族の間で倫理的・法的・社会的な問題(ELSI)が国際的な規模 で活発に議論され、一つのガイドラインをつくるまでになりました。このガイドラインは、すべての遺伝する病気の遺伝子診断におけ るモデルとして参考にされています。
(「WFN/IHA発症前遺伝子診断についてのガイドライン全文訳」もご覧下さい)

多くの場合、最初の兆候が現れて数年間は、自立生活を維持することができます。専門医に相談すれ ば、それぞれの症状を最小限に抑えるための適切な治療を施してくれます。また、自立生活をできるだけ長く維持するために、そして 家族も患者も共にQOL(生活の質)をできるだけ高く維持するために、多くの職種の人たちが最大限の協力をしてくれます。ホームヘ ルパー、看護婦、保健婦、ソーシャルワーカー、作業療法士、言語聴覚士、理学療法士、栄養士、臨床心理士など、身近な医療サービ ス・福祉サービスの専門家でチームを組んでもらうことが心強いことです。一緒に支え合っていきましょう。

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