HDは常染色体顕性疾患なので、親の世代から子供へ病気の遺伝子が受け継がれる確率は50%です。現在HDの根治療法は存在しません。なので病気の確定診断を目的とした遺伝学検査を実施する際には、心理学的負担や親族への影響を考慮して、検査前後に遺伝カウンセリングを受けることが推奨されています。
遺伝カウンセリングは医療行為であり、認定遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーにより行われます。遺伝カウンセリングの内容は、おおむね下記のとおりです。
1)HDの発症可能性を評価するための家族歴・病歴の解釈、
2)遺伝性疾患としてのHD、遺伝学検査などの専門的な内容の情報共有、
3)検査結果が陽性あるいは陰性の各状況に応じて、心理学的影響や親族への影響を理解し、適応していくことを支援することです。
HDについては健康保険が認められている遺伝学的検査を受ける場合、遺伝カウンセリング(月一回に限り)は保険診療になります。遺伝カウンセリング費用(自己負担)は施設により異なり、一回当たり5,000円から10,000円と設定されているようです(出典:日本遺伝カウンセリング学会)。受診する場合、あらかじめ確認することをお勧めします。
遺伝カウンセリングを専門とする職種は日本遺伝カウンセリング学会と日本人類遺伝学会が共同で認定している認定遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーです。
臨床遺伝専門医の一覧は、臨床遺伝専門医制度委員会のホームページ、認定遺伝カウンセラーの一覧は、認定遺伝カウンセラー制度委員会のホームページから閲覧することができます。