プチ🌟ニューズレター　No.52（会員限定）

発効日　２０２５年４月
編　集　JHDN事務局
発行元　日本ハンチントン病ネットワーク

令和の米騒動

目　次
◇　2025年度総会の案内
◇　関西交流会の報告
◇　ピアサポート研修報告
◇　新会員さん❤いらっしゃ～い
◇　会員だより ♧ みんなの近況
◇　「ゲノム情報（遺伝情報）に関する偏見や差別」の啓発始まる

2025年度ハイブリッド総会・交流会のご案内

今度のＪＨＤＮ総会は、会場とインターネットによるオンライン形式の両方でのハイブリッド形式にて開催します。いずれか、ご都合のよい方法でご参加ください。　
お申し込みは、５月３１日までに別紙の出欠票をご返送いただくか、グーグルフォーム（別紙QRコード）で事務局にお知らせください。皆様のご参加をお待ちしております。

総会・交流会の開催場所

日時：2025年6月14日（土）１3：３０～１７：００　　開場13：００
場所：AP新橋　会議室I　(東京都港区新橋1-12-9　新橋プレイス５階)
アクセス：JR線・東京メトロ銀座線「新橋駅」より徒歩1分　

プログラム（仮）
13：30　総会
14：30　講演　「ハンチントン病について（仮題）」
講師　長谷川一子先生（国立病院機構相模原病院　神経難病研究室室長）　
15：30　交流会
17：00　懇親会（希望者のみ）

関西交流会のご報告

シノラー

　2024年度関西交流会は12月7日（土）13時半-16時半に新大阪駅近くの新大阪丸ビル別館のカンファレンスルームで開催されました。今回は交流会直前まで事務局への参加の問合せが多く寄せられ、最終的には会員以外からも多くの参加をいただき、合計27名の方（うち初参加および数年ぶりに2回目の参加が7名！）の参加となりました。北は北海道、西は広島県からも参加頂き、関西交流会という名前ではありますが、全国交流会と言っても良いのではと思えるほどでした。

　まずは関西支部長のザベスさんから開会の挨拶があり、準備メンバーの紹介そして初参加の方の紹介の後、グループに分かれての情報交換会が始まりました。
　いつもの交流会は前半が講演会、後半がグループに分かれての情報交換という2部構成なのですが、今回は参加者同士の情報交換の時間に重きを置き、講演会を無くし、グループに分かれての情報交換に終始しました。交流会では初参加の方や既に顔なじみでも話をしたことがない方もいらっしゃるのでまずはお互いの自己紹介から始まりました。そして、普段、自分が抱えている悩みや心配事、近況などの話をするなかで最初は堅かった雰囲気がいつのまにか柔らかいものになり、同じ病気に関係している者同士、お互いが周りの人達のことを自分のことにように捉え、時には共感し、時には心配し、相談者の心に寄り添った意見交換会となっておりました。

　今回は特定のテーマを設けず、各グループで議題に上がった内容で進めていくスタイルでした。胃瘻注入や障害年金について意見が活発化しているグループもあれば、同年代の若い女性が集まり、一見すると女子会のような感じでありながら情報交換が活発化している光景は微笑ましいものがありました。
　途中で希望者のみ（全員）で記念撮影を行い、再びグループに分かれての情報交換が行われました。あっという間に交流会終了のタイミングとなり、最後に新しく会長に就任されたしんやさんから閉会の挨拶がありました。その後、希望者のみが集う懇親会の場所に移動し、19名の方が参加し、さながら情報交換会の続きのように盛り上がっていました。

　交流会の醍醐味は普段、病気に関係することで孤立しがちな人達同士が直接会って、自分の不安や悩みそして喜びや時には怒りをシェアし、発信された内容について同じ病気に関わる人達の考えや情報を多角的に知ること、自分一人ではないということを知ること、そしてもっと顔を上げて前を向いて歩いていこうと背中を押してもらえる場だと思います。もし、この病気で悩んでいる方がいらっしゃるなら一人で悩まず、ぜひ参加していただきたいと思います。

　最後になりましたが、難病医療コーディネーターの野正さん、ボランティアのじんじんさん（腎性尿崩症友の会）、同じくボランティアのディーディーさん、東北支部長の阿部さん、そして関西交流会を準備いただいた残りの皆様には心よりお礼申し上げます。

記念撮影：関西交流会・新大阪丸ビル別館にて

ピアサポート研修報告

萌子

　昨年末に事務局に仲間入りした萌子です。より良いピアサポートができるよう、アステラス製薬が患者団体向けに実施している「ピアサポート研修（基礎編）」に参加し、他団体の方々と一緒に、理論や基礎的スキルを学んできました。

　ピアとは「同じ体験や目的をもつ仲間」を意味し、ピアサポートとは、その「仲間同士が互いに支え合うこと」です。私自身、ハンチントン病のアットリスクとしての体験はありますが、患者、また介護者としての体験はほとんどないため、ピアサポートにおいては役不足かもしれないと思っていました。しかし今回学んだことは、ピア（同じ体験を共有する仲間）としてできる最大の支援は「共にいてあげること」であり、存在そのものが支援になること。そして、相談ごとやお悩みを「ともに考える支援」をするのが役目だということです。思えば、初めてJHDNの交流会に参加した時に、皆さまの存在に１人ではないと勇気づけられ、少しだけ未来に希望を持てました。

　相談者の悩みごとや相談をすべて、すぐに解決できないこともあるかもしれませんが、この病気に関わる者として、相談者の置かれた状況や気持ちを理解することに努め、一緒に考えることはきっとできると思います。皆さまに支えていただいているように、私も「ともに考える支援者」になれるよう、研修と実践を重ねてまいります。また交流会や総会で皆さまとお会いできるのを楽しみにしています。

新入会コーナー　

新しく入会された方から直接、原稿をいただきました

自己紹介　クレさん

　はじめまして。クレと申します。先日、初めて関西交流会に参加させていただきました。昨年の11月に父をHDで亡くしました。10年ほど前に病気が分かり、４、５年前から不随などの症状が進行していきました。外にいくのも危ないので妻が定職にはつかず、病院などの送り迎えをしてくれていました。土曜日は自分が通院に父を連れていっていました。不随が激しかったため、周りの人からの視線を感じ、少々辛い思いもしました。
　１年ほど前からは、寝たきりとなり、完全介護となりました。胃ろうや気管切開も行いましたが、寝たきりになってからは、体が弱まっていくのが早かったように思います。本当に父は病気と頑張って闘ったと思います。だから「お疲れさん。これで自由になれるな、良かったな」そんな気持ちでした。育ててくれた父に感謝。父を支えてくれた妻や母に感謝の思いです。

自己紹介　テッカリーナさん

　私の父がハンチントン病です。私の祖母や父の兄弟もハンチントン病で亡くなりました。
いずれ私も発症するのでは。私の子供達にも遺伝していたらと考えると不安で堪らなくなります。
　治療薬や同じ不安を抱えている人はいるのだろうかと情報を求めていた時に、JHDNの存在を知りました。
　一度、交流会に参加させて頂いた際に様々な方の意見や情報を聞く事が出来、とても有意義な時間でした。また、住んでいる場所が遠いため、ZOOMで参加できる点もとてもありがたいです。
そのためにも、JHDNで最新の情報を得て、私自身もこの病気についてより理解を深めていきたいです。昨年、父が67歳という年齢で亡くなりました。生前、父は料理人でした。日本料理を中心に様々な料理を作っていた父が段々と作るレパートリーが少なくなり包丁が握れなくなるのを間近で見てきました。
　父が病院に入院した時期はちょうどコロナ禍だった為、面会は４年程できませんでしたが、亡くなる１か月前に面会した際に、私の声に反応してくれた時は驚きと嬉しさでいっぱいでした。それと同時にハンチントン病を患っていなければ父の人生はもっと楽しいものになったはずと思うととても悔しいです。
　完治はしないと言われている病気ではありますが、将来根治する治療薬等が開発される事を強く願っています。
　そのためにも、JHDNで最新の情報を得て、私自身もこの病気についてより理解を深めていきたいです。スタッフの皆様・会員の皆様、どうぞよろしくお願いいたします。

自己紹介　ヘロさん

　昨年入会しましたが、皆さんと同じく波乱の日々で落ち着いて文章を書くこともできず、今となってしまいました。障害年金の申請書類を横目に現実逃避の自己紹介です。
　13年前に義父がハンチントン病と診断され、今も入院生活が続いています。そして妻も昨年の１月に診断が下りました。診断の２年ほど前から就寝時の不随運動に加えて時おり情緒が不安定になることが気がかりでしたが、徐々に本人も身体の違和感を抱き始め、仕事中に倒れたことから検査に辿り着きました。
　一時期は歩行もおぼつかないほどで、現在は週４回の訪問リハビリのおかげで動きは良くなっていると感じます。ただ家事や一人での外出は難しく、仕事もできずに家で悶々と過ごさざるを得ない状況で、重なるストレスが頻繁に不穏を引き起こします（…といいながらも、半ば無理やり外出やキャンプにも引っ張り出していますが！）。先の見通しや判断・予定の把握も徐々に難しくなってきており、発語や咀嚼も不安があります（自分自身にはまだ初期だと言い聞かせつつ）。
　家族は小学生の娘と未就学の息子がおり、at-riskであることに加えてヤングケアラーの芽がみえていて心配が尽きません。そのような中で関西交流会に参加させていただき、理解してもらえる人々がいることのありがたみをとても感じました。これからもできる限り足を運びたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。　

自己紹介　ポンさん

　このたび入会させていただきましたポンと申します。入会のきっかけは昨年の秋に母がハンチントン病と診断されたためです。今までハンチントン病を聞いたことがなかったためインターネットで色々と調べました。遺伝する確率が50％あること。ゆっくり進行していくこと。びっくりするような内容で「母はこれからどうなるのだろう」「自分が発症したらどうしよう」「子供にも遺伝していたらどうしよう」と様々なことが頭をよぎりました。
　私には兄と妹がおり、兄妹に相談できたのは幸いでした。兄妹は私ほど思いつめておらず「今考えても仕方ない。発症したらその時考える。人はいずれ死んでしまうし、それはハンチントン病かもしれないし、ガンや交通事故かもしれない。」「母についてはやれることをやる。母の行きたいところや、したい事をできるようにしよう」とポジティブ（？）な意見が聞け、私も考えすぎるのをやめようと思えるようになってきました。また、日本ハンチントン病ネットワークの方に相談にのっていただけたのもとても心強かったです。ありがとうございます。
　勉強不足で分からない事も多くあり、今後も相談させていただく事があるかと思いますが、アドバイス等いただけると嬉しいです。これからよろしくお願いします。

会員だよりみんなの近況

このコーナーは会員のみなさまから寄せられた近況をご紹介します。
今回は2024年9月～事務局に届いたもののうち、掲載許可をいただいたものです。
※ 紙面の都合でハンチントン病はＨＤと表記しています

★KM（関西）：今年の酷暑で体力消耗しましたが、ようやく涼しくなってきたので、これから活発に活動しようと思います。長期入院中で、身動き、意思疎通ができない姉が癒されるものが何かないか、探しています。

★ｙｏｓｈｉ：介護している娘の体調は比較的順調で穏やかに過ごしています。会話は出来ないものの意思の疎通はかろうじて出来ている（？）状態です。せめて今の状態を維持して根本的治療に繋げたいと思っています。私自身は８月に胃腸と大腸のポリープを内視鏡にて除去する手術を行いまして特に後遺症は無く無事生きております。
[コメント] 娘さんの体調も穏やかで、yoshiさんの手術も無事に終わり安心しております。ご自身も定期的なメンテナンスとケアをして、ご健康にはご留意ください。（KM関西）

★しんや：普段は施設でお世話になっている妻を、一泊で自宅に帰る計画をしています。
[コメント] ご家族ご一緒に過ごされる時間は、かけがえのない時間ですね。奥さまもとても楽しみにされていると思います。（KM関西）

★テッカリーナ：主治医より父の容態がいつ急変してもおかしくないので覚悟をしておいてくださいと言われました。先日面会してきて、ずっと寝ている状態でしたが、私の事を分かってくれたような気がします。意思疎通はもう取れませんが、脳はしっかりしており声は聞こえているのではないかと感じました。
[コメント] お父様のご容態、心中お察しいたします。意思疎通できなくてもご本人は分かっておられると思いますので、できるだけお声掛けしてあげてください。（KM関西）

★shibu：HDを中心に医療、医療従事、遺伝治療等をゲノム医療や処方による治療そして出生に関わる問題等を情報収集し当事者の生き方に関わっていきたいと考えています。
[コメント] shibuさんの当事者の生き方に積極的に関わろうとする姿には影響を受けますし、見習っていきたいと思います。（KM関西）

★しのらー：8月中旬、妻が胃瘻の手術を受けました。胃瘻は聞いていたよりも自分が思っていたよりも大変でした。注入食だけでなく、水分（白湯）もあり、また胃瘻注入を行えるのも家族、看護師のみで看護師も人手不足で対応できず、結局できるのは自分ということで再び孤独をしばらくの間味わっていました。注入食の朝晩のみ変更したり、白湯をお茶ゼリーにして看護師さんに手伝って頂いたりして幾分は楽になりましたが、根本的な解決になっておらず、何とかしたいと思う毎日です。日々の暮らしに余裕がなくなりました。
[コメント] 奥さまは、しのらーさんの頑張りを分かっておられ、本当に感謝されていると思います。しのらーさんが今ご苦労されている事が、少しでも軽減できますように、ハード面やソフト面の整備が進むように、何かご一緒に模索していけましたら。（KM関西）

★森口さん（支援者）：今年は年男。あと3年は今のペースでやっていきたい。
[コメント] 森口さんのライバルのトランプ大統領は、まだ4年(近況受領時点)は頑張られると思います。（KM関西）

★ケセラセラ：今の時代癌や余命は本人に告知するのに、なぜハンチントン病の遺伝子検査はなかなか受けられないのでしょうか？陽性・陰性でこれから先の人生設計が変わります。本人にとって、とても大切なことだからこそ遺伝子検査は必要だと思うのです。遺伝子検査は勧めないという医師が多いのには疑問をもちます。
[コメント] 私の親族の例ですが、HD陽性であっても症状が出ずに亡くなられた方や高齢になって初めて症状が出てくる方もおられました。癌・余命の告知とは違い、HD陽性が分かったからといって、その後の人生のいつ頃に、発症するか（しないか）までは、分からないものだと思います。また陽性と診断された場合、ご本人の心の持ち方や周りのサポートの有無によっても、その後の人生への向き合い方が大きく変わってしまう方もおり、お一人お一人のご事情によって違ってくる本当に難しい問題だと思います。（KM関西）

★ドルカス：入院して闘病していた従姉妹が亡くなり、親族で発症している人はいなくなりました。現時点で、症状のあらわれていない各々が、このまま発病することがないようにと祈っています。
[コメント] 従姉妹様のご冥福をお祈りいたします。今できることを精一杯やって、不安より希望を持って、祈りと共に生きたいですね。（KM関西）

★AOJUN：お盆前に発生した地震では妻の写真を入れているフォトフレームが落ちて割れていました。家具や屋根瓦もズレてしまい、慌ただしい中での５年祭(神道の法事)となってしまいました。今回の地震の時に妻が自宅に居たらどう行動をしていただろうと考えると冷や汗が吹き出して、しばらくは寝れない日々でした。
[コメント] AOJUNさん、地震ではお怪我等はされず大丈夫でしたか？いつどこに大きな地震が来てもおかしくない時代、自宅介護での災害時の備え、確認も必要ですね。（KM関西）